ネットクチコミ座談会(その4)

クチコミには母集団選びが重要

アカレン「発注側の立場からすれば、世の中で弊社や弊社の商品のことをさまざまな人が話題にしてくれるという状況が本当に生まれるならば、一千万円でも二千万円でも払いたいですよね。たぶん広告主側というのは、クチコミマーケティングをやることによって、ものすごく大きな効果を期待するんですよ。
ネットに自分たちのことを書いたブログが溢れて、売上も倍増するような。でも実際にクチコミマーケティングの効果って、そこまではすごくないですよね。せいぜいブロゴスフィアの中にいろいろな記事があることで認知度が上がるよ、というくらい。そこが今のところ問題なんじゃないかと思います。認知度の向上があって、その結果として売上の増加があるかもしれません、ということを聞くと私は納得するかもしれないけれど、多くの担当者はそれじゃ困る、クチコミが生まれて売上が増えないと、と思うでしょうね」

河野「ぼくはクチコミというものを意図的に起こせるのかどうかを疑問に思っています。例えばユーザー投稿型のキャンペーンでクチコミが起こるのかというと、クチコミの定義によっても変わってくるけれど、『自分の投稿したものがあるから見て』というのは成り立つと思うし、設計として一番簡単ですよね。ペットとか赤ちゃんの写真コンテストとかでもやってるわけですし。雑誌の『ねこのきもち』とか『いぬのきもち』には読者投稿で募集した、うちのワンちゃんやうちのネコちゃんの写真がいっぱい掲載されてますが、あれで投稿した本人は買いますよね。さらにその人が身近な人たちに宣伝してくれますよね。これってクチコミです。自分の作品が載ったから周囲に薦めるというのは写真投稿にしても読者投稿にしてもこれまでにもあったんです。ネットだから生まれたものではないです。そうじゃなくて、ネットならではのクチコミが仕掛けられないのかと考えてるんですけど、みなさんはどうですか」

ガッチャ「単純にブログに書いてもらうだけでいいのであれば、商品を無料配布すればかなりの確率で感想を書いてもらえると思うんです。内容の質はさておき。ただそれが、よく言われるように、Aさんがブログに書いた記事をBさんが見て、そのBさんが影響されて商品を買ってブログに書いたら、今度はCさんが買って、というような広がり方をするのかというとなかなか難しいと思いますけど、記事にするくらいなら起こるかもしれない。この場合、サンプリングをした人たちの周辺の濃度が濃ければ濃いほど効果はあるでしょうね」

河野「母集団選びが重要だということですね」

ガッチャ「例えば某アイドルのブログはページビューとかめちゃくちゃすごいですけど、あれを見ているのはほとんど男性でしょう。だからそのブログで女性用商品をサンプリングしても効果がないということだと思うんです」

河野「逆に母集団さえ間違えなければクチコミは起こるということですか?」

ガッチャ「はい。一定の価値はあると思っています。一番身近な例はランチじゃないでしょうか。私はブログを書いているんですが、たまたまどこかの割引券をもらってランチを食べに行くと、ブログで紹介するわけです。その料理の写真を載せると同僚のブロガーも同じお店に行って、同じように写真を撮って載せる。そういうことを考えると、母集団にどういう繋がりがあるかによって、ある程度はクチコミもいけるんじゃないかと思います」

(まだ続きます)

株式会社プレックスから発売されているフィギアを利用させていただきました。
©Rose O' Neill Kewpie International
©藤子A・シンエイ・中央公論新社
©石森プロ・東映
©タツノコプロ

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