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現実的な理想論

昨日は久しぶりに動画配信に出演してきました。5名の方が会場で、30人ちょっとの方がUstream経由で観覧してくださったんだけど、まあ疲れますね。
動画配信は2007年にやり尽くした感もあったので昨今のUstブームも静観してて、春先にブックオフオンラインのリニューアルをしたときに、そのリニューアルポイントを解説するのに使ったくらいで、台本なしのふわっとしたテーマで話すのは3年ぶり。

当初はクラシコムでWebCam使ってやろうかと思ってたんだけど、デジカルが会場と設備を貸してくださるってことなので甘えちゃいました。
こんな感じで「徹子の部屋」みたいなセットと機材を用意してもらいました。素晴らしい。

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素人がただ話しててもおもしろいわけないので、ある程度のテーマにせよ、時間にせよ、きちんと決めてやりました。
それが「ECにおける現実的な理想論」ってことだったんだけど、まあ1時間で話せるわけもなく、じっさいはさわりだけでしたね。

やってる当人は楽しかったです。会場で来てくださってる方、Ustで見てくださってた方の感想も数人聞いた限りではそれなりに楽しんでいただけたかなと。
じっさい青木さんにしてもフジイくんにしても普段からものすごく情報をインプットしてるし、それをただ見聞きするだけじゃなくて、ちゃんと自分なりに考えてるので、話すととてもおもしろいです。
今回も「ぐだぐだな放送はしたくない」って言ったら、ふたりとも真剣に何を話すか考えてくれて、たぶんふたりとも3時間くらい話せる準備をしてたはず。

だからぼくとしてはそういうふたりのおもしろさを伝えられたらいいなあと思ってたんだけど、ついついしゃべり過ぎちゃいましたね。
ふわっとしたまま次のテーマに移りたくないので、語りに入っちゃうんですよね。さっきビデオを見直したんだけど、そこはちょっと反省。興奮して声が大きくなるのも反省(これは3人とも共通)。せっかくミキサーまで用意してもらったのに調整しきれないくらいの抑揚で申し訳なかったです。

ビデオは公開されてるので、見ていただいてもいいのですが質疑応答含め90分とけっこう長いので、話したことをまとめてみました。

  • EC事業者はSEOへの依存度をいかに下げるかについてもっと考える必要がある。SEOをがんばることに全勢力を傾けるのは危険。
  • 一定以上の売上規模になるにはSEO、SEM、アフィリエイト等全部やる必要がある。問題はその予算配分。
  • 一点ものの商品を扱うECはリスティング広告は難しい。売り切れたら止めないとムダだから。
  • 同一商品の在庫が大量にあるか僅少かでウェブマーケティング戦略は当然変わってくる。
  • ECは「ネット通販」を超えられるのか。たとえばネット書店は本来書店にお願いするしかなかった出版社からの取り寄せ(客注)機能をユーザーに開放したという観点で、ひとつのパラダイムシフトを起こしている。
  • お客さまの要望のすべてにお応えできない。そこをスタートに折り合いをつける、納得してもらうしかない。
  • ECで楽しいショッピング体験というのは実現可能なのか、についてはお客さんにとって求めてる理想型がちがうことを前提に考えないと意味がない。「買うこと」が目的の人にとって探してる商品が買えなければ楽しいわけがない。
  • ECがメディア、コミュニティを構築することは方向性としては正しい。ただし顧客とエコシステムを作るには、買い物体験を組み込まないとうまくいかない。雑談がおもしろいから人が集まるだけではダメ。
  • 最近「顧客対応が重要視されている」というのはちがう。元々、大事にしなきゃいけなかったのに、これまで無自覚だっただけ。これまでもコールセンターには届いてたのにえらい人たちが気にしてなかったのが、ソーシャルメディアで顧客の声が可視化されたから慌ててるだけ。
  • ほとんどの企業は「顧客第一」「顧客満足度ナンバーワン」を掲げてるのに、じっさいはそんな振る舞いをしていない。だから最近の「ちゃんとやんなきゃ」って傾向はいいことだと思う。
  • 理想はすべての社員が顧客対応の窓口になるべき。経理とか営業とか関係ない。全員がチャネルに。
  • リスクマネジメントはリスクをゼロにすることではなく、取れるリスクかどうかの判断をすること。リスクをゼロにするのはほぼムリ、その考え方だと何も動けない。
  • ホスピタリティを定義する。たとえば加賀屋の場合は「宿泊客が求めていることを、求められる前に提供すること」。そこをきちんと定めることで集中できるし、なんでもかんでもコストをかけまくってるわけじゃない。
  • 粗利の大きい商材を扱って儲かることを否定しないけど、本来ECって「誰でもネットでショップが開ける」ことが魅力なので、いろんな人が、いろんな商材――なかには粗利の小さいものもあると思うけど――を扱って、いろんなショップが出てきてほしい。ただだからといってショップ運営者に清貧を求めるのもおかしな話で「普通に食えること」が大事。その上で利益を顧客に再投資できるサイクルを作るのが理想。

ほんとは当事者じゃなくなったから話せる裏話をもっと入れようかなと思ってたんですけど、そんなに話せなかったな。
たとえば「ECなんだからリアル店舗より儲かるに決まってんじゃん」みたいな誤解がよくあるんだけど、じっさい店の家賃がないけどサーバー代とか倉庫代はかかるわけで、そういうコスト構造はちがうけど、ECが特別優位ってわけじゃないことをなかなか当事者は話せないんですよね。言い訳っぽいし。

だからEC事業者を応援するためにも、そういう援護射撃的なコメントはしたほうがいいなと思うし、その結果として利用者の誤解が解ければストレスがなくなるわけで、双方ハッピーになるなと思ってます。まあ思ってた割に話せてないんだけど(このへんは別の機会に話していきたいですね)。

あとは運営面で気付いたこと(というか忘れてたこと)。

  • 打ち合わせをマイクテストと兼ねる(マイクをつけたまま打ち合わせをして、ミキサーの音量調整をする)
  • 複数人で話すときはネームプレートを置く(見えにくいかもしれないけど)。
  • Ustの画面を背景に映す意味はほぼなくて、いま話してるトークテーマをパワポとかで都度書くとかしたらいい。こんな感じ。ust

ほんとにいい環境を用意していただいたので、またこういうトークライブは企画してもいいかなあと思いました。
ちゃんと「現実的な理想論」についてリベンジしたいですね。いつになるかわかんないけど。

以下、当事者のブログです。

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