今日は朝からデジカルでSEIHAのミーティング。今月末のオープンに向けてぼくとしてはどうやって盛り上げていくかのプロモーション部分について話したかったんだけど、けっきょくその話はできずに終わった。
サービスやメディアをゼロから立ち上げるというのは大変なことだし、止まってしまうのもしょうがないんだけど、今日は根本的な部分でブレーキを踏んだ。
そもそも全体像が見えていないし、「攻城団」の軸がぶれてきてるので、このまま進んでたらかなり危なかった。
先日のジオメディアサミットのプレゼンで「日本には城が5万ある」と言っちゃったこともあって、とにかくどうやって5万件の城データを整備するかを考えてくれてたんだけど、そもそもこの5万という数字は「砦」を含んだ数字であって、いわゆる狭義の城ではないんだよね。しかも大半は石垣どころか何も残ってなくて、現在は住宅地になっていることもあるはず。
つまり学術的な意味を除けば、一般の人が「城」として旅行先にセットできるようなものは数千件しかなくて、それ以外の4万件以上は極端な言い方をすればノイズでしかない。
もちろん取り扱うデータは少ないより多いほうがいいんだけど、この手のランドマークDBを大きくすることで発生する問題を把握してないのが問題。
たとえば名寄せの問題。「松山城」や「池田城」なんてのはあちこちにあって、たとえば愛媛にあるのは「伊予松山城」、岡山のは「備中松山城」と旧国名をつけて表記上の区別してるわけです(どちらも100名城に選ばれるくらいメジャーな城)。でも登録数が5万に増えたときに同じ国の中に複数の「松山城」が存在しないのかは調べてみないとわからない。
あるいはイベントの問題。伊予の国にある城をすべて攻城(制覇)すると「伊予守」というバッジがもらえるんだけど、2500件なら県(≒国)あたり約50城なのに、5万になると1000城になる。これではまずバッジがもらえない。そういうイベントの難易度が劇的に上がるというのもバランスが崩れるので考慮しなければならない。
ほかにも検索結果が見づらくなるとか、もし住宅地になってしまってる場合は人の家を撮影して写真アップするのかとか(さすがにそれはマズいわけで)、サイトの使い勝手やサイトが原因で起こるかもしれないトラブルについての想像力が欠けている。
というような話をしたんだけど、たしかに「Wikipediaを超える城のデータベースを作ろう」というのはぼくが話したことなので、それが誤解を生んだんだろうなと思うとちょっと申し訳ないなと反省した。
そしてかつてぼくが運営していた「まんがseek」のことを思い出していた。
「まんがseek」は「みんなで作る世界最大のまんがデータベース」というタグラインを掲げて、じっさいそれだけの規模のデータベースにはなっていたんだけど、データはあくまでも会話の「肴」であって、メインはコミュニティとして設計していた。
(事実、イチオシは「百人書評」というショートレビュー+評価の機能で、いまだったらそのままツイッターに連携できそうだな。ていうか「crossreview」ってこの名残があるんだよね)
立ち上げたときは漫画マニアの人たちが応援と称していろいろ言ってきて、そのほとんどが詳細なデータベースを作れという提案だった。そのたびに「ぼくが作りたいのはコミュニティだからデータベースとして最低限の正規化などは考えるけど、(ユーザーが自分の知ってる情報を少しずつ持ちよるので)情報の謝りや偏りはしょうがないし、正確性については中長期的に解決すればいい」と答えていました。じっさいWikipediaなんかもそうだけど、短期的には間違いが多いわけですが、マクロ視点では精査されていくわけです(「まんがseek」はユーザーのレベル管理をしていて、活動履歴に応じてレベルが上がり、そのレベルに応じて編集可能項目を分けていたから、Wikipediaよりもうちょっと精査する方向に強いベクトルを作ってました)。
昔話が長くなったけど、完璧なデータベースを作るというのはなかなかストイックなことで、大半の人にとっては楽しくないのです。参照することはあっても、登録や更新はまずしない。
それよりも「行ってきた」とか「おもしろかった」とかについて話すのは楽しいし、そもそも身近に趣味があう人が少ないマニアックなテーマであればあるほどネット上でのコミュニティが盛り上がる。
そもそもデータの数「だけ」を追い求めるのは得策じゃないんですよ。とくにウェブの場合は簡単にコピーできるから。じっさい今回もWikipediaを参照してるし、書籍からのデータ収集に関しても中国とかに依頼しちゃえばかなり安く揃ってしまうので。ましてや城なんてのはこれから増えていくわけでもないから、基礎データについては誰かが作って公開した時点で誰でもアクセス(&コピー)可能になってしまう。優位性にはならない。
だからこそそれに付与されるユーザーのコメントや写真などのデータが重要なんだけど、そこのところがまだまだ考え抜かれてないのは危険。
ぼくは自分でも城をまわったりするんだけど、たとえばスタンプ置き場に近い駐車場とか、地元のうまいものとか、ライトアップしたお城が見えるホテルとか、そういう情報を過去に訪問(攻城)した人が残しといてくれたらすごく助かるし、自分も次の誰かのためにシェアしたいのです。そういうギブアンドテイクが広く実現するのがネットのいいところだし、CGM的な(とくにフォークソノミーを意識した)サイトのキモです。
クチコミについても同じ。APIを使えばいろんなランドマークデータを参照できるけど、参照元のクチコミではなく「攻城団」ユーザーの評価が知りたい。それこそボロいけど窓から城が見えるホテルなんかは城好きかどうかで評価が180度変わるんだし。
(ここはSEIHAフレームワークではきちんと考慮されてるようで安心した)
ミーティング中にメモしたものを清書したんだけど、CGMサイトってこういう感じで作っていかないといけないと思ってます。
大前提としてちゃんとしたシステムに、わかりやすいデザインがなきゃいけないんだけど、それだけでは「(1)器」でしかない。
そこにベースとなるデータが入って「(2)資料」となり、さらにそれを元に人が集まり会話が生まれて「(3)メディア(コミュニティ・メディア)」になる。この構図は「食べログ」でも「価格.com」でもなんでも同じ。このへんは2000年くらいにネットで遊んでた人には常識なんだろうけど、10年経って知識に価値が出てきたのかもしれない。
はやく「攻城団」を自分で使いたいし、その後も立て続けに量産していきたい。お遍路や鉄道(駅)・寺社仏閣・動物園あたりは次々とオープンさせたいですね。
[追記]
動いてるシステムはまだ見てないのでどうしても不安が大きくなってしまうんだけど、現場はがんばってるので応援してあげてください。
[さらに追記]
「まんがseek」の初期にいろいろご意見いただいた方の日記を検索してみたけど、さすがに見つからなかった。














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