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数年前の原稿その2

もうひとつ出てきた原稿を。これも2005年くらいに書いてますね。

「ブログは何を変えたのか」なんて大層なタイトルで書き始めています。

ブログは何を変えたのか

職業柄、ブログによって何が変わったのかと考えることは多い。そのたびに気づくこともあるし、納得することもあるが、断言できるのはブログの登場によってインターネット上のテキスト量が飛躍的に増大したことだ。

ブログは個人が情報を発信するハードルを劇的に下げた。誰もがメールを書く感覚で自分のメディアを持ち、何かを語ることができる。
それまでホームページやウェブサイトと呼ばれていたものは、HTMLを覚えなければいけない、あるいは「ホームページビルダー」のようなソフトを買ってきて作るため、ハードルが高かった。
無料ブログの登場によって、ブラウザさえあれば好きなだけテキストを書いて公開できるようになった。
(テキストだけじゃなく画像データも増えているのはブログもだけど、デジカメの普及が大きい)

しかし影響力は増していない。
情報量が増えれば、価値のある情報まで埋もれてしまう。そのときに必要になるのは検索と編集だ。検索はGoogleがどんどん改良していくんだろうけど、個人的に気になっているのは編集のほうで、量産されたテキストコンテンツの編集はソーシャルブックマークなどもそうだけど、「ブログメディア」がどのくらい役割を担っていけるかだと思う。
このへんは2chとまとめサイトの関係が参考になるはず。

もっともそれらがスムースに連携でき、相乗効果を生んだのは、情報の単位がサイトからエントリー(記事)に移ったことが大きい。具体的にいえばパーマリンク(permalink)のことね。
もしかすると今後は章とか節とかもっと細分化していくのかもしれないけど、そのときにはその位置を指し示すポインタをどうするかをあわせて考えないと検索や編集が難しくなるだろう。

ネット上で言葉が文字としてではなく、メッセージとして伝わり続けるためには、所在地というか本籍地がはっきりしたほうがいい。手柄や名誉を守るというような話じゃなくて、言葉がひとり歩きするということは誤解を生むこととほぼセットなので、その原典にあたれるように出典元を明示することはとても大事だと思う。

ネットの世界はコピペが簡単だからこそ、そういう基本にはこだわりたい。
だから話を戻せばブログが何かを変えたとすれば、それは玉石混淆ではあるけれどとにかく大量の情報をネット上に公開させたし、それらの情報のインデックス化にパーマリンクという仕組みで貢献したということなんだろう。

そしてひとつひとつの情報にIDが付与されるということは、インターネットが本当の意味でデータベースになってきているということなんだと思う。
だから「ブログはネットのDB化に貢献してる」というのが答えになるんだろうね。

これはなんで公開しなかったんだろう。べつにずれたことは書いてないと思うんだけど、なんか不満があったんだろうなあ。

情報量が増えれば検索と編集が重要になるというのは、まさにいまでも変わってないし、むしろツイッター以降加速している話。
ブログメディアの話はたぶん当時の関心事だったんだろうなあ。

ゴミの山から宝を見つけ出すのはソーシャルフィルタリングでもってある程度解決しそうなんだけど、まあこれもけっきょくは人力なので最初の人がババを引いてることには変わりないんだけどね。
(でもぼくはそのくらいでいいと思うし、そういう互助会的精神はネット的だとも思うので好き)

もうひとつの再加工とか再利用という意味での編集はもうちょっとテクノロジーで解決できるのかなと思っていて、たとえばそれが位置情報でひも付けるとかだったりするわけですよね。
ツイッターのツイートも、Flickrの写真も全部が位置情報でリンクされて、Googleマップ上に表示されるなんてのは、すでに現実になってきてますね。セカイカメラなんてのも興味深い試みだと思うし。もちろんこのへんもデータ量が増えればファミコンでキャラが並ぶと処理落ちするように、収拾がつかなくなってしまうので、ソーシャルな要素を加えるとか(友だちのコメントだけ表示)、スラッシュドットなどのようにレーティングで解決するか(信頼できるユーザーのコメントだけ表示)、あるいは2chのように時間軸で解決するか(新しいものだけ表示)しないといけない。

これまでのCGMサイトの場合、なんらかの処理をしてデータを間引く必要があるくらい盛り上げることのほうが大変なんだけど、位置情報やJANコードのように汎用的なIDで串刺しにする場合は自社サイトだけで情報を集める必要がなくなるので、最初からこのへんの情報加工について考えておいたほうがいいと思う。

とにかくブログでもツイッターでもなんでもいいので、ネット上に誰でもアクセスできるコンテンツが大量に生まれること自体はとってもいいことだよね。たしかにアフィリエイトSPAMとか見てるとゴミにしか見えないんだけど、まあそういう負の側面を黙認してでも、老若男女がいろんなことを書き散らかして、それが読めるのは素晴らしい。
と同時に、そのままだと一生かけても読み切れないわけだから、当然なんらかの編集が求められてるわけで、それを整理して、加工して、適切な人に届けるような仕組みがもっともっとできるといいですね。そういうのに関わりたい。
(いちおう言うとclipmailはちょっとだけ整理に貢献してます)

数年前の自分が書いた文章を読んで感じるのは、あんまり変わってないなあってことかな。いいのか悪いのかはさておき。

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