smashmedia

« matchreport.jp | メイン | なぜ彼はドラッカーを読まないのか? »

電子書籍、電子出版についての考えと取り組み

テクノロジーの登場によって、より本質が鮮明になるというのはよくあることです。

いまの電子出版周辺の騒ぎもそうですね。まああんなのはごくごく一部の人が騒いでるだけなんだけど、そのはしっこにいる人間としてぼくも書いておきます。

本題に入る前に明記しておくと、ぼくはデジカルが進めてる32books.jpというプロジェクトに協力、支援しています。

これは社長の香月さんと初めて会った2005年に話していた内容がほとんどそのまま具現化してます。御茶ノ水のスタバで、出版の意味とか出版社の役割を再考するところから話してて、いまでもよく憶えてます。

ひとつは(ブログなどの)ウェブそのものが出版プラットフォームになっていくという話、もうひとつは「新書1冊200ページ」のようなパッケージサイズありきではなくて本当に必要なページ数だけにすることで書き手にも読み手にもそして地球にもやさしくなるという話、そして3つ目が小ロット出版でも食えるコスト構造(収益構造)にしていこうという話です。
ハブメディアのときも同じような話を書いた気がするけど、まあいいや。

ちなみにハブメディアのほうもSEIHAフレームワークに発展したりしてるし、ぼくが始めた(けど最近開店休業中の)マーケティングis.jpも夏にリニューアルを予定しています。

では話を戻して。

そもそも電子出版に関する話題は5年前とか10年前からもテーマになっていたので、今さらな部分もありますが、ケータイだけじゃなくてWi-Fiが整備されてきたり、外来モノとはいえイケてる端末が出てきたりしているのは「波が来てるなあ」という感じです。

ぼくとしても興味のあるところなので、KindleもiPadも買ったけど、Kindleはすでに放置してるし、iPadのほうはリビングでウェブを見たりするのには使うけど電子書籍端末としてはたぶん使わないと思う。実感としてはそんなところ。

ただこのへんはコンテンツの充実で解決するところもあるだろうし(iPadは重いというネックもあるんだけど)、「新しい読書スタイル」を提案できればもう少し普及するんじゃないかなと思っています。

そこで考えるべきは、

  • 出版とはなんだったのか
  • 書籍、雑誌の役割とはなんなのか

という原点の部分。

そもそもぼくらは何を求めていたのかについてしっかり考える必要がありますね。価格の妥当性や再販制度が本当に必要なのかについても考えるべきだけど、それよりも出版という行為そのものの役割について原点回帰すべきだろうと。

そういう意味では電子出版なんてのはたいして普及はしないと思うし、市場も大きくはないと思うけど、個人レベルでも出版活動がより容易にできるようになっていくのはいいことだと思います。いまでもコミックや文芸は同人誌とかでできてるんだけど、ビジネス書や専門書などの分野にまで広がっていく可能性があるのはとても魅力的。

その結果、新しい市場が生まれる可能性がある。
ページ数の問題、見込み部数の問題......、それこそ「200ページ書かなきゃ出せない」とか、「5000部刷れない(1000人くらいしか需要がない)コンテンツは出版できない」とか、そういう理由でこれまで商品化(出版)されなかったコンテンツが世に出るチャンスなのはまちがいないので、小さいけど価値のあるコンテンツがどんどん出てくる出口になればいいなと思ってます。

32books.jpに対してはそういうコンテンツの受け皿になればいいと思うし、香月さんにも

「まぐまぐ」みたいなプラットフォームかつマーケットプレイスが形成できるといいですね。

という話をしています。

32ページという1章分程度のボリュームというのは書き手にも読み手にもちょうどいいと思うし、それを320円で売ればわかりやすいと思う。32ページでも価値あるものであれば払える金額だし(ただし事前の内容紹介とかを充実させないと1円でも払わない)。
本当に価値のあるコンテンツは長々と書く必要はないし、じっさいに多くの書籍(とくに新書)は水増ししてますよね。同じ話ばっかり何度も出てくるし。ああいうのは時間のムダだし、資源のムダでもある。

PDFにしたのもDRMを意識しないのも、そこにコストをかける意味がたいしてないから。大金かけて対策を施しても破られるわけだしね。それがムダとはいわないけど、儲かる構造にすることのほうが大事。

不正コピーの対策としては、いまのところPDFそのものに購入者の名前かメールアドレスを印字しちゃえばいい(誰のファイルか特定できればいい)と思っています。これは前にたけくまさんのブログで見たときに香月さんと「これでいいじゃん」と決めました。

まあ本名の担保とか面倒ではあるんだけど、カード名義との一致で見るのかな。そのへんは英語圏とちがって漢字氏名の日本だと精度が落ちますね。同様にメールは捨てメールアドレスが簡単に取得できるので難しいかも。

システムとしてがんばるべきはコメントの共有です。これは過去に「ピトの会」というのをやったときに実感したことだけど、みんなが参考になったポイントを共有したり、そこに書き残したコメントを共有できれば、新しい読書体験が生まれる思うんですよね。

似たようなコンセプトとして「Layered Reading」というのもありますが、そこまで複雑なことは考えていなくて、みんなで付箋を共有できて、さらにその共有範囲を自分の友だちだけに絞り込める(いわゆるソーシャルで柔軟な共有ができる)ことだけで十分です。あ、「Layered Reading」はいいアイデアだと思います。

できればこの付箋やコメントを残し、それを共有する部分をオープンな規格にしたいですね。トラックバックのように。技術的にはXMLで出力すればリーダーの開発も簡単だろうし。ソーシャル性を確保するにはサーバー側での管理が必要だけど、このへんもOpenIDとかでできるのかもしれない(関係性保持のためのDBは持たなきゃいけないけど)。

ぼくは電子書籍が普及するかどうかは

  1. 安い商品(書籍)が
  2. 大量に読まれて
  3. そのフィードバックが共有される

というスパイラルに載せられるかどうかだと思っているので、ここに書いてる3点目はとても重要視しています。
ちなみに1点目についてはDRMなどの不正対策のコストをできるだけかけずに汎用的なPDFというフォーマットを使うことで安く提供できるようにすること、2点目については著者が自らのブログ等で販促活動をすることがクリアするためのキーになるでしょうね。

ぼくも32ページなら書けると思います。
このへんは1冊にはならないけど、いいこと言ってると思うんですよね。手前味噌だけど。

というわけで、デジカルと一緒にまた新しいことを目論んでますので、興味のある方はぜひお声がけください。

このブログを読んでる人はチェックしてる率が高そうだけど、社長の香月さんのブログとツイッターを紹介しておきます。

感想メール

感想を送る感想をメールで送る

トラックバック

この記事のトラックバックURL:

コメントを投稿(SPAM以外なら大歓迎です!)

この情報を登録しますか?
コメントへの返信をメールで通知しますか?

(コメント投稿に少し時間がかかることがありますが、クリックは一度だけでOKです)

※質問は掲示板でも受付けています。

関連記事

去年のいま頃に書いた記事(なつかしい!)

Facebookページ

ブログに書くほどでもないこと(とりわけウェブ上のニュースについての感想や評価のコメントなど)はFacebookページに書いています。よろしければこちらもどうぞ。

« matchreport.jp | メイン | なぜ彼はドラッカーを読まないのか? »

最近のエントリー

カテゴリー別アーカイブ

月別アーカイブ

過去のダイジェスト(オススメ記事)

  • あわせて読みたい
  • TwitterCounter for @smashmedia
  • track feed
  • この日記のはてなブックマーク数
  • 人気ブログランキング - smashmedia
Related Posts with Thumbnails