これは何度でも読み返すべき。
あんまりにも過激な論調なので、こういうのをほほえましく読める人じゃないときついと思いますが、ぼくのブログを読んでる人ならぜんぜん平気かと。
マスコミが垂れ流す社会調査の記事は本当にゴミが多い。それはぼくもいつも思っている。例えば今日の産経新聞の記事だけど、これ。
全国のがん治療の中心的な病院が加盟する「全国がん(成人病)センター協議会」は5日までに、加盟施設ごとに胃、肺、乳、大腸の各がんの治療5年後の生存率をまとめ、一部は施設名を含めて公表。施設によって生存率に大きな差があることが分かった。
こんなものに何の意味もないことくらい、まともな人間ならすぐにわかる。そもそも地元の病院でさじを投げられた末期の患者が集まる大学病院とそれ以外の病院じゃ前提が違うわけで、母集団がまったく均一化されていないのに、それを単純比較してもしょうがない。
とはいえ、この記事はまだマシで、
重症患者の比率に差があるなど、公表された生存率によって医療の質を単純に比較することはできないという。
という注釈が書いてあったから救われる。ただこういう記事に左右される人間の弱さを間近で見ていると、もう本当に腹立たしくてしょうがない。
どうしてこんな意味のない調査結果を垂れ流すんだろう。結局は、自分たちが仕事をしているというアピールなんだろうけど、まったく馬鹿げている。
ネットで発表されてる調査結果もそう。こないだの記事にしたって、ブックマークしてる人たちのコメントを見てると大半の人は何も疑いもせず信じてるけど、これは危険。
もちろん読み手のリテラシーの問題もあるけど、そもそもメディアが取り上げちゃいけない。そういうチェックができないのはメディアとしてよくないよ。
この本はちょっと専門用語が多すぎるので、ちゃんと読もうとすると大変だけど、調査を発表する側の意図とか、調査に答える人間の弱さとかを知るには十分。
ぼくはこれまでもあちこちの調査に噛み付いてきたけど、それでもぜんぜん甘くて、まだ見抜けないゴミ調査が世の中には山のようにある。
別にこの本を書いた谷岡先生が絶対の正解じゃないんだけど、でもそこを疑うのも含めて、ぼくらはもっとリサーチ・リテラシーを高めていかないといけないと思う。
ていうか、これ書評じゃないね。まあいいか。
「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)
あと、日本版のGSS、JGSS(Japanese General Social Surveys)プロジェクトを今回初めて知ったんだけど、これ応援します。
ぼくも1年くらい、こういうのをまじめに勉強してもいいなあ。
[追記20100629]
JGSSのサイトのURLが変わっていたので修正。











コメント(13件)[コメントだけのRSS]
ああ、この本はもう必須ですね。
とにかくメディアの人は数字が好きでしかも数字に弱いのです。ほんとに。
投稿者: 四家正紀 | 2007年10月10日 15:26
あ、四家さんに同意してもらうとうれしいY♪
投稿者: 河野 | 2007年10月11日 08:28
うち、中2なんですけど、この本教科書に載ってたんで、これで授業やりましたょ!めっちゃ的得ていてうち新聞読む目変わった気ぃするんです!
投稿者: れもん | 2010年6月19日 20:20
れもんさん、教科書に載ってたんですか?
それはすごいですね、とてもいいと思います(よろしければどこの会社の教科書か教えてほしいです)。
こういうのを中学生がきちんと身につけていくことがこの国の教育にとってもいいことです。オッサンのたわごとですが、じつにうれしいです。
投稿者: 河野
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2010年6月20日 09:24
東京書籍です!結構社会調査の結果って新聞とかよんでても、実感ないというか・・・やっぱりずれてるなって思うんですよね。
宿題で実際にリサーチ・リテラシーをやれっていうことなんですが・・・ここの記事使わせていただいても良いですか?
よければどこの記事かとかおしえていただければ嬉しいです
投稿者: れもん | 2010年6月21日 17:01
すいません^^;クリックで行けたんですね。ごめんなさい
投稿者: れもん | 2010年6月21日 17:17
れもんさん、こんばんは。
出版社の情報ありがとうございます!
あと、ここの記事は自由に使ってください♪
投稿者: 河野
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2010年6月21日 19:02
ありがとうございます。これで宿題が無事できそうです!
投稿者: れもん | 2010年6月21日 20:04
はい。どんな授業だったのか、時間のあるときにでもメールかコメントで教えていただけるとうれしいです。すごく興味があるので。
投稿者: 河野
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2010年6月21日 22:54
えっと・・・お久しぶりです。
遅くなってごめんなさい(・・;)
まず、教科書を読みます。
その後、先生が新聞記事のコピーを何枚か配って、ズレの原因は何か1人で考えます。
次にグループで考えて発表します。っていうのが授で・・・
宿題は自分で記事を探して、内容、ズレの内容、その原因として考えられること、生じる問題点・情報の価値、より正確な内容にするための改善点です!
投稿者: れもん | 2010年6月28日 21:46
れもんさん、丁寧にありがとうございます。
この先生は本当にいい先生ですね。
大事なのは「目の前の記事を疑うこと」を習慣づけるところなので、じつにいい授業だと思います。
投稿者: 河野
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2010年6月29日 11:04
でも、なかなか疑えないですよね~汗
投稿者: れ | 2010年7月 2日 20:21
いや、まったくですね。なかなか大変だと思います。
でもインターネットはデマの流布も加速させてしまうので、それを使うぼくらはもっと慎重にならないといけませんね。
投稿者: 河野
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2010年7月 3日 09:32